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イタリア 2007Cidori

パビリオン | 展示
竣工

千鳥 (Cidori) とは、千羽の鳥の事であり、物質が密実につまっている状況ではなく、鳥が空をとぶように粒子化された状況をさす。千鳥格子とは、細い木製の角材を格子状に組み合わせる伝統的技術である。この技術は、角材に特殊な切込みをいれる事で釘を一切使わずに強度のある構造物をつくる事ができ、また、一瞬にして分解する事が可能である。

このプロジェクトではその技術を三次元の空間に展開させる事によって、開放的で透明感のある「家」をつくる事を試みた。当然一本の釘も接着材も使わず、また分解も容易である。

この方法で作られた「家」は単語を組みあげていたった文章に似ている。文章には釘や接着材は不要である。注意深く単語を組みあげていきさえすれば、ゆるぎない堅固な文章を作る事ができる。しかも、その単語は、容易に分解可能で、また新しい文章を作る事ができる。単語とはそのように自由で無限に開かれたエレメントであるべきである。

このCidoriでは、木の角材が、そのような無限の自由を獲得している。

チーム 宮澤 一彦 アワード Premier Prize European Product Design Award (category: Interior Furniture) パブリケーション JA : The Japan Architect 2013/Spring Vol.89 、新建築 2009/12 No.85 、新建築 2007/07 1961-2007 ミラノ・サローネの夢『新建築』 『a+u』『新建築住宅特集』3誌合同特別冊子 、GA JAPAN 87 、GA HOUSES 99