3月11日から、大先輩の建築家、辰野金吾設計の東京駅の上にある東京ステーションギャラリーで、くまのもの展(Lab for Material)を開くことになりました。辰野金吾というのは僕にとって大事な存在で、1854年、ちょうど僕から100年前に生まれているのも、吾という字が名前についているのも、少し運命的です。東大で教えて、アカデミックなものと、デザイン的なもの、技術的なものとアート的なものとを融合させようという懐の大きさにもシンパシーを覚えます。
辰野へのオマージュという意味で、そして、構造的にもレンガ造と鉄骨のコンポジットで挑戦的であった東京駅へのオマージュを込めて、今回の展覧会のテーマはLaboratoryです。Labにおいて重要なのは継続と物に対する愛情です。愛情がなくて、研究だけしていても意味がありません。そして研究は継続し、ひとつの成果に飽き足りずに次に続けてこそ、歴史に何かを残すことができます。今回完成した上海のShipyardのプロジェクトも、レンガ、石、瓦を金物で固定する研究、実作を継続してきたからこそ達成できた「何か」です。

黄浦江に面してたつ1972年に完成した、レンガで作られた造船工場を、劇場、リテイラーの複合建築として保存、再生した。 巨大な船のスケールを感じさせる、高さ20m、長さ150mの「孔」が建築の中心部を貫き、その中心に、既存建築を支えていたコンクリートの列柱が並ぶ印象的な空間を作った。 西側の端部ファサードは、有孔レンガをφ8mmのステンレスワイヤで固定して作った半透明のスクリーンで覆われ、レンガの密 … Read More
温泉観光地として独自の文化を育んできた由布院にたつ、現代アートのための小さな美術館。由布院盆地を彩る青々とした山々と、展示される現代アートを引き立てるために、黒い焼杉で建物を覆った。焼杉とは杉板の表面を焼くことで炭化させて耐久性を高めた素材で、西日本では外壁材として伝統的に使われてきた。遠目では真っ黒のヴォリュームだが、間近で見ると焼杉特有のウロコ模様や木の温もりが伝わってくる。焼杉をランダムに小 … Read More
Comico Art Museum Yufuinと隣接する敷地内にたつ保養研修施設。3棟に分棟することで、川沿いの小さな集落を目指した。美術館と保養施設の建物群を明確に区切らず、パブリックとプライベートの二つの場所が、アートと自然を介して一体的に感じられるゆるやかな全体性を目指した。各棟の庭園や露天風呂から由布岳を望めるように建物の配置と距離感に気を配り、薄い鋼板葺きの屋根を、山に向かって雁行させ … Read More