Subscribe
登録者情報/Your Information
ご登録ありがとうございます。下記のフォームを入力ください。
Welcome to our Newsletter! Please enter all the fields in this form.
最新号ニュースレター/Newsletter Example
#78 February 3, 2026
エマニュエル・トッドに伝えたかったこと
最もシンパシーを感じる人類学者で、現在世界で最も影響力のある思想家ともいわれるトッドから、文藝春秋を通じて対談のオファーがあった。彼の来日中のスケジュールのスロットと、僕のスロットをあわせるのは至難であったが、彼にどうしても伝えたいことがあって、上海行きをリスケして、彼と対面した。
エマニュエル・トッド、隈研吾「日本の美意識の底力」。全文は「文藝春秋PLUS」で閲覧可。Image Courtesy of Bungeishunju Ltd.
日本社会の大きな象徴である、直系家族の垂直的統合、その人間関係と世代継承システムをベースとして形作られたものづくりの伝統が、彼が繰り返し語っている『西洋の敗北』の後の世界を救う可能性に、異論があるわけではない。ものづくりが世界を救うだろうという希望的、第三者的なコメントをするよりは、「救わなければならない」と、自分に引きつけて当事者的に語ろうと、ここ数年の僕はつとめてきた。そういう形で自分の責任をはたしたいと、はっきり意識し始めたのである。
その自分の気持ちも、もちろんトッドに伝えたかったのだが、それ以上に彼に伝えたかったのは、社会システムとしての可能性を有しているにもかかわらず、2000年以降に日本社会をおそっている、自殺的傾向である。日本は自ら、その最大の強みである、ものづくりの伝統、そして、ものづくりをベースとする「建築」という産業、文化を否定し始めたのである。それは建築への嫌悪と呼んでもいい。リアルなものは、重たくてダサいという非論理的な感情であり、まさに日本は自殺しつつあると、僕は感じている。その結果がコロナ後の、建築コストの300%ともいわれる、世界でも類をみない上昇なのである。
その背後に、アメリカ的新自由主義のボディブローがあることは間違いがない。新自由主義は、自由と平等という正義の旗印のもとに、日本的な垂直統合システムに、ボディブローを浴びせ続け、それがついに日本の自殺をまねいたともいえる。あるいは「建築」を中心に戦後復興を進め、建築に異常なほどに依存してきた日本経済、日本社会に対する、日本の内側からの反動も、間違いなくあるだろう。その反建築的な「建築嫌い」の気分と、コロナ、戦争とが共振を起こして、建築単価は3倍になり、日本社会は消滅しつつある。
そのことの深刻さと、未来の日本に対する懸念を、日本愛のあまりに日本に対して少し甘すぎるとも感じられるトッドに、どうしても伝えたかったのである。

News展覧会Kengo Kuma: “MAKERU” ArchitectureThe Ecology of Rhythm and Particles
このたび、New Art Museum Singaporeにて、展覧会「Kengo Kuma: “MAKERU” Architecture — The Ecology of Rhythm and Particles —」が開催されます。 【開催概要】 展覧会名:Kengo Kuma: “MAKERU” Architecture — The Ecology of Rhythm and Particl … Read MoreNewsガウディ没後100年公式事業NAKED meets ガウディ展
ガウディ没後100年を記念し、「NAKED meets ガウディ展」が開催されます。本展では、ガウディの自然的・有機的な建築デザインに通じる建築家として、隈研吾のコメントおよびプロジェクト写真が展示され、展覧会図録にも収録されます。 【開催概要】 会期:2026年1月10日(土)~3月15日(日) 会場:寺田倉庫 G1ビル ※巡回展 会期:2026年4月17日(金)~6月15日(月) 会場:VS. … Read MoreNews展示・講演会及び対談「川棚と隈研吾の対話」
このたび、下関市川棚温泉交流センター川棚の杜にて、展示「川棚と隈研吾の対話」が開催されます。初日には講演会および対談が行われ、隈研吾が登壇します。 【展示 開催概要】 会期:2025年 12月 20日(土) ~ 2026年 2月 15日(日) 会場:下関市川棚温泉交流センター川棚の杜 【講演会および対談 開催概要】 会期:2025年 12月 20日 (土) 13:30 ~ 16:00 (開場 1 … Read More