小松大学アカデミックガウン | News | 隈研吾建築都市設計事務所

小松大学アカデミックガウン

2018年4月に開学した公立小松大学の第1期生卒業式にあたり、オリジナルのアカデミックガウンをデザインした。アカデミックガウンは欧米を中心に教育機関で着用されてきた伝統的なセレモニーウェア。地域と海外で活躍する人材育成を目指した先進的な教育を実践する小松大学のために、それを象徴するような、新しいガウンをデザインしたいと考えた。

直線断ちした四角いパーツで構成される和服からヒントを得て、一見単純でありながら、身に着ける人の体格や着方で印象が変わる複雑さと豊かさを目指した。長方形のパーツ2枚を一組とし、それぞれ折って重ね合わせ、ポンチョのようにすっぽりと身体を覆うシンプルな構成とし、人体の構造をスタディしながら、袖になる部分の切り込みの深さ、生地の重ね具合のバランスを整えて、このデザインに到達した。セレモニー用の和服の上にも着られる「ゆるさ」も獲得した。

単純な形状から複雑なものを創造するプロセスは折り紙の文化にも通じており、学位が上がると追加されるフードは折り紙で扇を折る要領でデザインした。

素材は地元の繊維メーカー、小松マテーレが開発したKONBUという、ナイロン繊維を凝縮させたハリのある、発色の良い生地がベースになっている。端部の処理や固定部材のつけ方、裁断、縫製を工夫し、紙のような薄くてシャープなエッジが実現した。

石川県小松市
2022年3月
アカデミックガウン

プロジェクトチーム:佐藤未季
製作:小松マテーレ