KKAA Newsletter #4 (March 28, 2024) See in English 日本語で見る

#4 November 21, 2017


小さなユニットを組み合わせて、大きくてゆるい雲(クラウド)のような全体へと到達するプロジェクトが、いろいろな場所で進行しています。どんなに制限の多い厳しいプロジェクトでも、基本ユニットを小さくすると、その限定の中でも、豊かな、大きさを獲得することができます。これは、昆虫が世界の中で生き残っていけた知恵にも似ています。昆虫は小さいから、限られた場所の中でも、自由に振舞えたというわけです。小ささは、厳しい環境の中で生き残る知恵でした。昆虫はその小ささゆえの対応力によって、地球環境の中で最強の生物といわれています。

ジュネーブの国際開発研究大学院のコンペで、最優秀に選ばれました。世界的なビジネススクールの学生寮を、われわれは、ひとつの一体的なストリートとして解きました。世界中から集まった学生達が、セミアウトドアの、フレキシブルなスペースを、コミュニケーションやラーニングのための、自由な場所として使うことを期待しています。

Kengo Kuma © Onebeat Breakzenya

ProjectsCoeda House8cm角の棒状のヒバ材をランダムに組み合わせて、一本の巨大な樹木のような建築を作った。鉄の7倍の引っ張り強度をもつカーボンファイバーロッドによる補強によって、一本の樹木のような、大きく枝を張り出した形が可能となり、地震時の揺れを抑えることも可能となった。敷地は太平洋を望む崖の上にあり、樹木の形状の構造によって、景観の妨げとなる外周部の柱を消すことができた。 Read More
ProjectsRoof/Birds野鳥の生息地としても知られる浅間山を正面にのぞむ斜面の森にたつ、アートを愛する人々のためのゲストハウス。 斜面と森への影響を最小化するため、分棟化し、小さな屋根が森の中を飛翔する状態をめざした。 屋根は個々のユニットからの景観の条件に応じて、時に閉じ、時に開き、結果として鳥がランダムに羽を上下しているような姿となった。 地上部分では可能な限り透明性を確保するために65mm角の無垢の鉄の柱を用い、木製ジョイストで構成される屋根がその極小の柱によって支えられ、森の中に浮かぶようなイメージをつくることができた。 Read More
Projectsホワイトストーン・ギャラリー台北オフィスビルの一階に、木のファサードとインテリアを持つアートギャラリーを挿入した。 105mm角の断面寸法を持つヒノキ材だけを、ずらしながら積み上げていくことで、既存ビルのリジッドな構造フレームとは完全に分離された、ヒューマンでオーガニックなスペースを、都市の中に創造することができた。 同一寸法のヒノキ材はインテリアでも同様にずらしながら積まれ、階段やカウンター間に仕切りを形成していく。 単一のユニットを用いて、複雑で多様な空間が生成され、その中にGUTAIをはじめとする、コンテンポラリーアートの力強い作品群が展示され、ホワイトキューブを超えるアート空間の可能性が追求される。 Read More