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#3 September 27, 2017


東日本大震災の後、まずEJPと呼ばれる、東北の地元職人を元気づけるプロダクトのコラボのプロジェクトをはじめ、その後、南三陸町の一連のプロジェクトがスタートしました。街が一瞬にして消え失せ、未来の津波に備えて、土が盛られて新しい地面ができました。この新しい人工的地面にどのようにして人間的なぬくもりを与えられるかを、必死で考えました。在来木造の切妻屋根、プラスチックのチープな波板で作った「下屋」「縁側」そして、森本千絵のにぎやかなノレン。そういう懐かしくてノイジーなヴォキャブラリーにたどりつきました。

ノイジーなヴォキャブラリーの実験は、てっちゃんの一連のプロジェクトです。同じく被災地である熊本では、桃源郷、秘境として知られる人吉球磨の一連のプロジェクトがはじまりました。第一弾は、僕が審査員として選んだ、木製プラントボックスです。

Kengo Kuma © Onebeat Breakzenya

Projects南三陸さんさん商店街東日本大震災(2011)で壊滅的被害を受けた南三陸町の2つの商店街(志津川地区、歌津地区)の再生プロジェクト。 10mの盛土によって生まれた新たな地面の上に、かつての商店街が有していた、ヒューマンなにぎわいを再現するために、地元の南三陸杉を用いた在来木造による、「縁側」のついた商店街を計画した。 大きくはり出した庇に覆われて作られた「縁側」に商店の機能が浸みだし、街路と商店をつなぐ、新たな中間領域が生まれた。 海が身近に感じられることを第一目標に全体配置を計画し、10mの盛土にもかかわらず、海との一体感を再生することができた。津波の被害を受けてもなお、海を愛し続ける南三陸の人々の熱い思いを形にすることができた。 Read More
Projects南三陸ハマーレ歌津東日本大震災(2011)で壊滅的被害を受けた南三陸町の2つの商店街(志津川地区、歌津地区)の再生プロジェクト。 10mの盛土によって生まれた新たな地面の上に、かつての商店街が有していた、ヒューマンなにぎわいを再現するために、地元の南三陸杉を用いた在来木造による、「縁側」のついた商店街を計画した。 大きくはり出した庇に覆われて作られた「縁側」に商店の機能が浸みだし、街路と商店をつなぐ、新たな中間領域が生まれた。 海が身近に感じられることを第一目標に全体配置を計画し、10mの盛土にもかかわらず、海との一体感を再生することができた。津波の被害を受けてもなお、海を愛し続ける南三陸の人々の熱い思いを形にすることができた。 Read More
Projects成城木下病院 / Green Hospital患者第一の理念で、日本の産婦人科医療をリードする病院のための、木と緑の新しい病院。 木ルーバーによるファサードは、成城というヒューマンで清閑な住宅地に溶け込み、従来の病院建築の冷たいイメージに代わる「家としての病院」ができあがった。 インテリアにおいても、「家」の温かさ、やさしさを追求し、中庭と融合した「木と緑」の空間が生まれた。 Read More
Projects下北沢 てっちゃん下北沢で若者に愛される焼き鳥屋てっちゃんが、新店舗に移ることになった。古い2階建ての木造家屋を、焼き鳥屋へとリノベーションするに際して、いかにして元々の駅前の焼き鳥屋の持っていた、空気感、粒子感、ノイズを保存するかに挑戦した。 まず既存の木造家屋の外壁に既製品のアルミサッシをランダムに取り付けた。既製品のチープなアルミサッシをアセンブルすることで、日本の都市を覆いつくしていた、「普通」の木造家屋の発するノイズを、アンプリファイ(拡声)したようなファサードを作った。アルミサッシは日本の家をだめにしたと感じていたが、今となってみると、その発するノイズはなかなか面白い。 インテリアは、木造建築の骨組みをすべてむき出しにし、その上に、古いスキー板、スノーボードを用いて、雲のようでもあり、ゴミのようでもある階段を作った。このスキー板とスノーボードでできた階段が、空間の中にダイナミックな渦を作り、この渦が、焼き鳥屋の熱気を帯びて回転し続ける。 Read More
News熊本で、高校生とのプロジェクトが始まりました。熊本地震の被災者が暮らす益城町テクノ仮設団地のための木製の植栽ボックスです。熊本県人吉市の球磨工業高校の生徒でコンペを行い、隈が審査をしました。 Read More