アメリカのタイム誌による「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。選定理由のテキストは、東京国立近代美術館で開催された隈研吾展のキュレーターを務めた保坂健二朗さんによるもので、「負ける建築という方向性をリードしている」とまとめてくれた。
最も嬉しかったのは、「公共プロジェクトは表現の自由を制限することが多いが、それでも自然な共感を得て、コミュニティに歓迎される新しい空間を作り出した」という一文。
制限の中で、共感を得るというのは、僕が一番大事にしていることだからである。建築に対する「制限」は、これからいままで以上に増えていくだろう。予算は低下し続けるだろうし、環境やユニバーサルデザインに対する要求も、今までとは違う高いレベルに移行するだろう。
その流れの中で下手をすると、存在感のない退屈な建築ばかりが作られる可能性が高い。その困難な中で、いかに人々の建築への共感を保ち続けることができるか。自分に課せられた課題は、まさに制限と共感だと感じている。

隈研吾が、TIME誌の「世界で最も影響力ある100人」に選ばれました。 The 100 Most Influential People of 2021 time.com/collection Read More
ガウディが、カサバトリョの中でうたいあげた地中海の光の美しさに、我々はこのオマージュを捧げた。 カサバトリョでは、8層の中央パティオが自然光を取り込み、家の隅々まで光を均等に分配した。新しいプロジェクトでは、既存の非常階段の、8階建てに囲まれたスペース内で、光の垂直運動が行われる。屋上の明るさから地下の古い石炭貯蔵庫の暗い深さまで、アルミのチェーンのウェーブに合わせて、体験は絶え間なく変化する。 Read More
ハイカーの聖地として名高い金太郎富士見ラインの中腹の展望公園に、富士山の形状と響き合う、傘状の東屋とトイレをデザインした。富士山の放物状の稜線からヒントを得た傘状の梁と木柱とが、リング状の鉄板によって緊結され、2つの屋根が一体となることで、ラーメン構造としての安定性を獲得している。木の柔軟性と鉄の強度と膜の軽やかさとを組み合わせることで、温かみがあり、開放的な東屋が実現した。木の構造体は、フッ素コ … Read More
カリブ海とフォール・ド・フランス湾の間の緑豊かな半島にある5つ星ホテル・スパをデザインした。典型的な70年代のコンクリートのリゾートである「ル・メリディアン」の解体後に、自然が土地を開拓した荒野が敷地である。 ル・メリディアンが現代建築のアイコンをめざしたのとは対極の、控えめで謙虚なプロジェクトをめざした。カリブ海の建築の特殊性を再解釈し、既存の植生を中心に自然との調和をはかった計画は、地域にスム … Read More
緑豊かな松濤公園に、集落のような、トイレの村をデザインした。ランダムな角度の耳付きの杉板ルーバーに覆われた5つの小屋は「森のコミチ」で結ばれて、森の中に消えていく。 多様なニーズ(子育て、身だしなみ配慮、車いす等)にあわせて、村を構成するひとつずつのトイレの、プラン、備品、内装も異なる。そのいろいろな個室を分棟とすることで、ポストコロナの時代にふさわしい、公園に開かれた風通しの良い、通り抜けのでき … Read More