2017年の最後はアフリカのセネガルに行って、講演をしました。1979年の12月から1月にかけて、東大の原広司の研究室で、サハラを縦断する調査旅行に出かけて以来のアフリカです。あの旅は、自分にとっても画期的な経験でした。サヘルやサヴァンナと呼ばれる、サハラの南側のエッジの集落の、パラパラとした離散的な感じ、さらに南の熱帯雨林の中に実在する集落の、自然素材を用いたラフなスクリーンに感銘を受けました。それらの集落を見ていて、日本の集落の良さを再発見したわけです。
今回は、環境破壊で農業が大ダメージを受けているセネガルを支援するNPOのイタリア人、ラウル・ヴェッキオに誘われました。30年前の西アフリカに残っていた牧歌的なゆるさは消滅していて、都市化の破壊的な力が、西アフリカにも及んでいる様子を見て、気分が暗くなりました。2018年が、少しでも明るい年になればと、祈ります。