湯河原駅前広場
駅とは鉄道と街とをつなぐ、縁側のような中間領域であると考えてデザインした。縁側のように、半分開いていて、建築として完結しないことが重要であると考えた。
湯河原は、日本を代表する温泉の街であるが、熱海や箱根のように大きなホテルがあるわけではなく、小さな旅館が集合したヒューマンな街である。
この新しい駅も、そのヒューマンスケールに対応した、ヒューマンでやさしいものでなければならないと考え、杉材のルーバーを用いた、半屋外的で半開放的な駅舎をデザインした。
杉のルーバーの下の、木漏れ日のような光に満たされた空間の中に、温泉の湯がひきいれられ、その湯から出る水蒸気によって、駅舎全体が、よりやわらかく、温かいものとなる。