最近、西アフリカのプロジェクトが続いている。カサブランカのドクターレイラミュージアム、ガーナ、クマシの職業訓練所、セネガルの干ばつ被害を救うアイデアコンペの審査委員長・・・なぜ今、僕が西アフリカなのか。それ説明するために、大学院時代の西アフリカ旅行のエピソードをしばしばしば紹介していたら、それが岸田総理の耳に入ったらしく、チュニスで開かれたアフリカ開発会議(TICAD)の総理の基調講演の冒頭で、僕と西アフリカの関りを話題にして頂き、驚いた。
僕は1979年に、西アフリカを2か月旅し、サハラ砂漠を縦断した。高度成長期のコンクリートと鉄の建築にうんざりし、かといってじじくさい日本建築にも関心がなかった僕は、西アフリカの土と草の建築を見て救われ、たくさんの具体的なヒントももらった。その意味で、今日の僕の原点は西アフリカにある。そんな話が、アフリカの首脳達にも伝わって、日本とアフリカの間で新しい文化交流がおきたら、とても素敵だと思う。