Padova Congress Centre
イタリア北部の古都パドヴァの、コンベンションセンター地区の中心施設であるパラッツォ・デッレ・ナチオーニ(1951年)の建て替え。
旧パラッツォ・デッレ・ナチオーニのレリーフで飾られた正面ゲートを保存し、そのゲートによって強調された軸線は内部を貫通し、都市とコンベンションセンターの各機能 ―― 5000人収容のジョットホールと2500人収容のマンテーニャホール ―― とが、ひとつにぬいあわされる。この正面ゲートを中心にして、建物をとりまくように高さ15メートルのルーバーを並べた。ルーバーは、環境を調整するためのブリーズ・ソレイユの役割をはたし、パドヴァの旧市街のコロネードと、日本の伝統的なENGAWA空間とがかけあわされた一種の中間領域(in-between space)となっている。
パドヴァの旧市街に現存する中世の巨大建築パラッツォ・デッラ・ラジョーネ(Palazzo della Ragione)は、木造船の技術を応用した、木のドームで知られ、われわれはここでCarp (2008)という布で空中に舞うインスタレーションを行った。今回の木のルーバーは、パラッツォ・デッラ・ラジョーネの木のドームに対するオマージュで、パドヴァという街の歴史との接続でもある。