© Katsumasa Tanaka

日本 2022久杉橋

2022.7
山口
インフラ
竣工

2018年7月の西日本豪雨によって破壊された岩国市周東町獺越の橋を地域の新しいシンボルとなる木の橋として再建した。
橋の両側には、独特の酒造りで知られる日本酒「獺祭」の酒蔵とストアがあり、木の部分の工事費は旭酒造の寄付でまかなわれた。
再度の災害の危険を考慮して、RC躯体と105角のヒノキ材の欄干を組み合わせ、そのヒノキの配列によって、周囲の山並みと呼応するやわらかな曲線が生まれた。日本の木造建築で最も用いられてきた105角の部材の利用によって、懐かしいヒューマンスケールを持つ橋が誕生した。
日本が誇る大工の技術と、現代の技術であるコンピュテーショナルデザインを融合することによって、従来の土木構造物にはなかった、ヒューマンでやわらかな表情を作り出した。

チーム 横尾 実、堀木 俊、大田 敏郎、エルブラッシ ホッサム *、松長 知宏 施工 日栄興業株式会社、百合建設工業 構造 OAKplus パブリケーション 日経アーキテクチュア 2019/11/28 No.1156 写真撮影 ©︎ Katsumasa Tanaka