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中国 2021The Tide [海口湾国家海洋公園ヨットハーバー] マリンスポーツセンター/ライトハウス

2021.7
海南
スポーツ | 店舗/飲食
竣工
3,236
3F / 1BF

海口湾国際海洋公園は、中国南部の海南島・海口市に 位置する。マリーンスポーツセンターの建物は、この海洋公園を中心に定期的に開催される国際的なヨットやサーフィング競技大会のハブ機能と、海洋文化の展示、文化イベント、市⺠に開放されたカフェ・バーなどを複合した施設である。桟橋の外端には、船舶管制塔として機能する灯台も全体の施設の一部としてデザインした。マリーンスポーツセンターと灯台のデザインにはともに海洋のテーマにふさわしい「波」のコンセプトを採用し、ひとつのデザイン手法により複数の施設で桟橋を取り囲むひとつながりの環境を作り出すようにした。

 灯台は、くびれのある円筒形のボリュームに沿って、異なる形状の不等辺三角形断面の組み合わせによって白色ルーバーの先端が揺れをともなうような垂直の「波」によるファサードとし、海洋の風景の中に溶け込む外観を作り出した。

 マリーンスポーツセンターは、ハコ的なボリュームをねじることで流線型の大きな「波」へと変換した。これにより、建物に向かう視線はねじれに沿って空や海の方向へと抜け、見る角度によって刻々と変化する柔らかなシルエットを描くような建物となった。中央部には陸側の広場と桟橋をつなぐパッセージが貫通す「孔」が設けられ、市⺠にとっての海へ向かうゲートのような存在感を作り出している。また、熱帯地域でのエネルギー損失を考慮して、建物の下地部分では内部機能や方位に従って大面積のガラスファサードや⻑方形のポツ窓などの全く異なる開口方法を適宜使い分けながら、複数の角度で取り付けられたアルミルーバーのスキンを全体に適用することで、自然の推力で立ち上がるひとつの「波」のようなまとまりを作り出している。

 大自然に面する都市のエッジに建つこのプロジェクト“The Tide”では、「波」のような力強い自然の様相を取り入れることで自然と「共鳴」しながら都市的な「ランドマーク性」を獲得する建築を実現した。

チーム 浅野 浩克、洪 韵*、王 陈思田、劉 一青*、马凯蒂 施工 金中天水利建设有限公司 構造 中船第九设计研究院工程有限公司 設備 中船第九设计研究院工程有限公司 外構 中船第九设计研究院工程有限公司 照明 上海建筑设计研究院