Kengo Kuma : Onomatopoeia Architecture at Venice
「オノマトペ」は我々が普段、プロジェクトの説明をするときによく使っている言語ツールである。我々は素材と人間との会話に興味がある。「オノマトペ」はその会話にとても役に立つ。
オノマトペを使うことは、モダニズムの言語に対しての批判であると同時に建築のアート化に対しての批判でもある。我々は建築がロジカルなものに縛られず、単一化されないためにオノマトペを使う。言葉には定義するとか明確化するという役割があるが、オノマトペは定義せず明確化しようという意志もない。
所員とのやり取りでもよくオノマトペを使うが、そうすると僕が考えていることと少しずれた回答が出てくる。オノマトペを使った僕の「あいまいな」メッセージを所員がそれに対して僕が思っていた以上の、あるいはそれから微妙にずれた答えをだしてくることを期待している。
ベネチアのパラッゾ・フランケッティはスペイン人画家、アントニ・クラベのお孫さんとイタリア人のエキジビジョンコミッショナーが共同で所有している歴史ある建物である。ムラノガラス細工が施されたシャンデリアやビロードの重厚なカーテン、刳形でデザインされた室内にKKAAの展示がどのように反映されるかとても興味があった。我々のデザインした建物の模型をオノマトペ別に分類し、細かく仕切られた部屋に配置した結果、想像以上にマッチした。ここで使用した13のオノマトペは素材の質感、光や風の動き、そして人間の身体的な感覚を表現する。
本展のためにデザインした二つのパビリオンのうち、「ラグーナ」はグランカナルに面した庭に設置された。ベネチアの砂を吹き付けたエキスパンドメタルのざらざらした表面が、運河の照り返しを受けて粒子一つひとつまで美しく輝いていた。
ビエンナーレの時期もあり、会場は大盛況だった。
多くのジェスチャーを使って会話するイタリア人たちに、我々のオノマトペ建築はわかりやすかったのかもしれない。












