ガウディのカサ・バトリョ(1877)を再訪した。ガウディのデザインしなかった階段部分の内装を依頼され、深海の洞窟、そこに棲む生物にヒントを得て、その様相や幾何学を、アルミチェーンを用いて表現した。(2021年完成)当日も多くの観光客が、ガウディの空間からミュージアムショップへと向かうための動線に僕らの階段を用い、トランスファーの空間として、過去と現代の雑踏との一種のタイムトンネルとして、想像以上に活躍していた。
その後、サグラダ・ファミリアの建築の責任者である Jordi Faulí先生の案内で、完成間近の教会の隅々まで見せて頂いた。もう20年前にもなる前回の訪問時とは、大きく印象が変わって、驚いた。驚いたというより、正確に言えば、足が震えるように感じた。
一言で言えば、空間が恐ろしく軽くなっていて、陳腐ないい方で申し訳ないのだが、まさに天国にいるように感じられたのである。前回の訪問の時は、屋根が架けられていなくて、垂直に立ち上げる壁面や塔が重たく、古めかしく感じられたのだが、今回はとてつもなく高い場所に、天井が重力を喪失して浮き上がり、輝いていた。ステンドグラスから入射する光は、方位によって色とガラスのサイズが絶妙に計算されているせいか、空間の主役の座を獲得していた。まさに光と色とが主役であって、物質は脇役となっていた。
その非物質的な世界を、ガウディがここで実現しようとしていたことは、残された言葉からも明らかだが、この場所に立って、その言葉の意味することを、身体で感じることができて、震えた。
その非物質的な状態を獲得するためにガウディは、有名な逆さに吊られた模型を始めとする構造的、数学的な実験を繰り返したことは知っていたが、それが双極放物線、シェル、枝分かれしてもたれ合う柱などの解法の複合によって見事に空間の透明感、軽さとして実体化されていた。結果としてこれは疑いもなく、ひとつの現代建築であり、その奇跡に、驚愕せざるを得なかった。
その図りしれないほどに複雑なプロセスのすべて、ディテールのすべてをガウディが生前にデザインし、コントロールできた訳ではないことは、当たり前である。別の見方をすれば、ガウディの理念に従って、多くのアイデアと最新のテクノロジーが結集されたからこそ、サグラダ・ファミリアがコンテンポラリーな建築として完成されたともいえる。その全体性の中には、一時、ガウディの理念を歪めたとして批判されたスビラックスによる受難の門のキュビズム風彫刻も含まれるが、それらの、一見雑音と見えたものを含めたすべてが、この完成された透明な空間の中では、ハーモニアスに響き合っているのである。
それは全く予想外であった。ノイズという概念自体が消滅してしまったような不思議でピースフルで寛容な空気に包まれて、僕はこれこそがガウディの夢見た「世界」に違いなく、これこそが彼の「信仰」の本質であったと確信したのである。

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