Kengo Kuma × FENDI

FENDI × Kengo Kuma

2024.3
プロダクト
竣工

FENDIとコラボして2つのバッグと2つのシューズをデザインした。
まず隈と深い縁がある高知県梼原町在住のオランダ人の紙漉き職人 ロギール・アウテンボーガルドが漉いたコットンと樹皮を混ぜ込んだ和蘭紙(日本とオランダのコラボ和紙)の荒々しく、しかもやさしいテクスチャーからインスピレーションが拡がった。高級素材では無く、サヴォアフェール(匠の技)に最高の価値を認めるFENDIとKUMAの哲学にこの和蘭紙はぴったりだと両者は感じたのである。
フェンディ・フローと呼ばれるシューズでは和蘭紙の身体にやさしく暖かい質感と3Dプリンターで成型したヤタラ編み-KKAAが追求するランダムで構造的な編み物-を組み合わせた。
ピーカブーとバゲットソフトトランクと呼ばれるバッグには、トスカーナのオリーブの木や白樺の樹皮に和蘭紙のやわらかい質感が組み合わされて、従来のバッグにはない形での自然と人間との身体の出会いが実現した。
シルビア・フェンディは次のようにコメントした。「隈研吾氏は自然主義建築の巨匠であるといつも考えていました。彼は、建築の内部にも外部にも自然を組み込むことの大切さを、初めて認識した建築家の一人です。環境を構築し、隈氏の厳密なデザインに見られる原理「ネガティブアーキテクチャ」のムーブメントに対する自然主義的なアプローチは世界的にも高く評価され、自然素材に対する実験的な取り組みや、クラフツマンシップへのひたむきさは、素材革新と研究開発に対するフェンディのアプローチと一致しています。彼の作品は、未来と彼のルーツが非常に本質的な方法で調和しています。」

チーム 宮澤 一彦、平沢 未来