サン・ドニ・プレイエル駅
新たな環状の地下鉄ネットワークによって、パリ中心部の過密と環境悪化を解消しようとして2007年に始まったGrand Parisプロジェクトの、パリ北部のハブ。
駅全体を屋上緑化し、大地とスロープによってつなぐことで公園化し、駅をハコとしてではなく、コミュニティのためのパブリックスペースとして再定義した。この立体公園はそのままブリッジとなって、線路の上をまたぎ、フランス北部からの鉄道幹線による地域の分断の解消も試みた。
「緑の駅」は、木「オーク」でできたカーテンウォールでやわらかく包まれ、4本のメトロへとアクセスする30メートルの深さのアトリウムも、すべて木で覆われ、コンクリートと鉄で作られてきた従来の駅とは対照的な、やわらかく暖かい空間が生まれた。屋上庭園は分断した地域をつなぎ直し、木のアトリウムは、大地と空とをつなぎ直す。アトリウムにはアーティスト、Prune Nourryによる、大地の母を想起させる108体のヴィーナスが置かれている。