武漢国際村フォーラム
武漢市郊外の湿地公園エリアにおいて、自然と共生するコンベンションセンターを設計した。建築全体は、湿地に静かに舞い降りる渡り鳥をイメージし、その鳥の飛翔を、薄さと、動的表現を両立させる折り紙の技法を用いて抽象化し、水辺の水平景観と呼応するひと続きの軽やかな屋根が生まれた。
折り紙状に折り重なる大屋根は、チタン亜鉛の立平葺き金属屋根と、木目調の柔らかな軒天井仕上げを組み合わせることで、軽量感と温かみを併せ持つ表情をつくり出している。屋根の起伏が生み出す陰影と、エントランスで屋根が地面に接することで形成される大きな「孔」のような空間は、24メートルという高さ制限の中で、風景に根ざした力強い象徴性を獲得した。水面と水生植物が織りなす穏やかな自然環境の中で、建築は、抑制された佇まいの中に、軽やかで確かな力を内包している。
建築周囲のランドスケープには在来の湿地植物を中心に植栽を施し、階段状に連なる湖岸によって、水辺へと緩やかに導かれる親水空間を構成した。敷地内に設けた水盤の底部には魚鱗状の石板を敷き詰め、光を受けて揺らぐ水面の表情をより繊細に引き立て、自然の律動を空間に映し出している。
内部のメインロビーでは、アルミメッシュユニットを天井全面に用い、素材自体が持つ変形の許容性を活かしながら、固定点の制御のみで「湿地に広がる波紋」のような流動的な天井の景観を実現した。来訪者は建築に足を踏み入れた瞬間から、空間を通して自然の呼吸を感じ取ることができる。
設計開始から竣工までわずか一年という極めて厳しい条件を、中国で20年以上にわたり培ってきたKKAAの経験によって克服した。









