東紀州こどもの園
杉、ヒノキの産地として知られる三重県熊野市に、熊野の雄大な自然と一体となった「木」の児童養護施設をデザインした。
木を用いることは児童の生活に多大な影響を与え、力強く、明るく、やさしい子供が育つといわれる。
われわれは、構造、外装、内装、家具にいたるまで、熊野の木を用いた。また、大きく庇をはりだすことで、雨が多く、日射しの強い熊野の自然から建築と子供を守ろうと試みた。最大4メートル持ち出した庇の先端は、周囲の山並みと調和するように曲線を描き、垂木がそれにそって大らかな曲面を生成し、その大庇は同時に地域に対しての連携と友情のメッセージともなっている。