寝屋川市立望が丘小学校・中学校
大阪府寝屋川市に、ヒューマンで暖かい多様な居場所が、おおらかにつながった学校をデザインした。周囲の街並みに合わせて屋根を分節し、奥行きの異なるバルコニーを張り出すことで、小さな家が集まったようなあたたかで楽しい建築を実現した。
小学校2校と中学校1校を統合した地域の新しいシンボルとなる小中一貫校であり、南北に小学校棟と中学校棟が向かい合い、これらをつなぐ西棟を特別教室棟とするU字型の配置とすることで、学校全体が緩やかにつながる計画とした。U字型が生む中庭は守られながら、地域にも開かれている。
中庭を囲む外壁面にはランダムな開口部を設け、子どもたちが集う光あふれる共用空間を生み出すとともに、家具や床の素材の切り替えには曲線を用いて親しみやすい小さな居場所をつくりだした。吹き抜けに面したラーニングコモンズは、周辺の丘陵地地形にヒントを得たステップ状のスラブが重なり、視覚的なつながりと柔らかな分節が交錯することで、学年毎のまとまりを高めつつ、学年を超えた一体感を醸成する。
専用の図書室を設けず建物全体に本棚を分散させ、子ともたちの成長に合わせた主体的な学びを引き出す、ヒューマンスケールな交流・発表の場をつくった。