©Kengo Kuma & Associates

日本 2007浮庵 (フアン)

展示
竣工

茶室とは、一種のVR (ヴァーチャルリアリティ) 装置であったように思える。そこには、現実の世界とは隔絶したあらゆる種類のリアリティを現出することができる。浮庵のなかに現出させたかったのは、「浮いた身体」という、意識の状態であった。そのために、ヘリウムガスをつめた巨大な風船を作って浮かべ、それにスーパーオーガンザという名前の、1㎡が11gしかないという、異様に軽い布をかぶせ、空気を囲んでみた。まさに天女の羽衣である。この茶室は、それこそどこへでも風にのって漂っていく事ができる、究極の仮設建築である。

チーム 宮澤 一彦 パブリケーション カーサ ブルータス 2019/01 vol.226 、新建築 2008/02 、GA JAPAN 90