イタリア 2021Iwakura Musashino
イタリアのイスキア島西部の海沿いにあるクリストーフォロ・コロンボ広場に置かれたこの石造りの噴水は、日本の武蔵野台地に建つ角川武蔵野ミュージアムにインスパイアされて作られた。角川武蔵野ミュージアムでは仕上げに花崗岩を用いたが、ここではトーナル岩あるいはアダメロ・グラニットと呼ばれる、花崗岩によく似たイタリア産の素材が用いられている。このトーナル岩を、角川武蔵野ミュージアムの3Dデータに基づいて、まず始めにダイヤモンドワイヤーソーでカットし、続いて5軸CNC加工で切り出した。日本とイタリアという火山にゆかりのある二つの場所を、石という物質を媒介として、つなごうと試みた。
このプロジェクトは、ミラノ工科大学のマルコ・インペラドーリ教授、採石・石材加工メーカーPedretti Granitiのダニエル・ペドレッティ氏、イスキア国際建築賞（PIDA）協会代表のジョヴァナンジェロ・デ・アンジェリス氏のコラボレーションによるもので、フォリオ市および2021年イスキア・ナポリ国際哲学フェスティバルのサポートも受けて実現した。
