日本 2022ワンヘルス・カーボン・ゲート
福岡県営筑後広域公園のエントランスに、炭素繊維を用いて、スパイラル状のモニュメントをデザインした。
地球環境にやさしいカーボンファイバーという素材を用いて、「人と動物の健康と環境の健全性は一つ」という「ワンヘルス」の理念の実体化をめざした。
巨大でマッシブなゲートではなく、今にも空に飛んでいってしまいそうな軽くてやわらかい構造によって、川と緑の環境との調和を試みた。
ブレーディングと呼ばれる組紐の技術で編み込まれた15mm厚の炭素繊維チューブが、二重らせんを描きながら円環を形成し、その両端を持ち上げることでメビウスの輪のような二重のアーチをつくり出している。
この特異な形状は、1/3円弧の単一のエレメントの繰り返しのみで構成されており、最適化された29通りの角度でつなぎ合わせることで、コストの削減と工期の短縮を実現した。
風がふきぬけるしなやかなゲートは、筑後の豊かで美しい水、緑、空に呼応しながら、大地と人をつなげる。
共同設計:株式会社 梓設計