日本 2022カーボン・ハット
矢部川の河川敷に広がる県内最大の筑後広域公園、そのおおらかな大地のうえに、木立のような軽やかで透明なハット(小屋)をデザインした。
円の中心からずらした場所にほそい棒を立てて、炭素繊維のひもを放射状に地面に編み込んでいくことで、頂部に向かってすぼまった漏斗のようなかたちをつくった。
編まれた炭素繊維のひものうえには、ETFEの透明でやわらかいハットをかぶせた。原始的な住居のようなつくりの小屋を、炭素とフッ素樹脂という現代的な素材で軽やかに構築した。
木立をとりまくようにたたずむ三つのハットは、公園を散策する人々を木立へと誘い込みながら、やすらぎと憩いの小さな居場所となるだろう。
共同設計:株式会社 梓設計