米国 2017ポートランド日本庭園 カルチュラル・ヴィレッジ
海外における最高の日本庭園と評され、日本文化発信のミュージアム機能でも知られるポートランド日本庭園(1980)をコミュニティの文化的中核とすべく拡張し、再整備した。ポートランドは、環境にやさしいコンパクトシティのリーダー的存在であり、全米で最も住みたい街のひとつといわれる。その自然と一体化したヒューマンな街にふさわしい、集落のような文化施設をめざした。多様な機能ごとに分棟とし、それぞれの棟が、桂離宮に代表される雁行プランに従って配置され、村のような集合体が出現した。
屋根を緑化し、擁壁には500年の歴史を持つ城壁作りの職人集団(穴太衆)の手による石積みを用いることで、地形と建築とがひとつに融け合った景観を作ることができた。展示、レクチャー、カフェの機能だけではなく、日本の庭園デザインの教育機能も新設し、庭園を媒介とする、インターナショナルな文化交流の場が生まれた。