アンジェ・サン・モーリス大聖堂のギャラリー
フランス・アンジェ大聖堂の西側入口で、12世紀および17世紀に遡る貴重な彩色彫刻が近年発見され、これらを保護するためのコンテンポラリーなギャラリーの設計が求められた。
この入口の特徴は、中世に特有の多彩色の石彫にある。その保存には、新しい建築の介入が不可欠であった。本計画では、中世建築の遺産を尊重しつつ、現代建築との調和を図ることを目指した。
中世の建設者の視点に立ち、コンパスによる幾何学的な規範を用いて比例体系を導き出すことで、全体の統一性を生み出している。さらに、ロワール流域の砂や骨材を用いた現地での繊細なプレキャストコンクリートにより、素材の粒子にまで配慮した建築を実現した。
こうして生まれたのは、石造建築の重さから解放された、軽やかで一体感のある空間である。過去と現在を静かにつなぎながら、建築の長い歴史の連続性の中に根ざした、穏やかな現代性を空間にもたらしている。












