伊豆の風呂小屋
当時の建築界の主流であったリジッドな幾何学に支配されたコンクリート打ち放しの「聖なる家」に対抗して、木とトタン板とパーティクルボード(木のカスを固めて作った最も安価なボードであった)を組み合わせて、ランダムで自由な幾何学に基づく、現代のバラックに挑戦した。僕の処女作品である。
同時期に書いた「10宅論」(1986)で最も痛烈に批判したのも、当時の流行であったコンクリート打ち放し住宅と、そのデザインの背後にある建築家の独善性、個人住宅至上主義であったが、この実作では、その思想をベースにして、○○邸とか、○○ハウスという名前を排し、わざわざ「風呂小屋」という非住宅的なネーミングを行った。この命名は風呂好きで自由なライフスタイルのクライアントにちなんだものである。















