Aomori City General Gymnasium
日本 2024

青森市総合体育館 カクヒログループスーパーアリーナ

2024.3
青森
ホール | 交流 | 公共施設
竣工
12,063
3F

世界一の豪雪都市・青森市の中央に位置する青い森セントラルパークと一体化した複合型スポーツ施設。7つのスポーツボックスを青森の伝統的雁木空間「コミセ」にヒントを得たギャラリーでつなぎ、その結節点に地域の交流空間「ヨリドマ」を設けた。

施設の主要な機能に会する「ヨリドマ」は、風が通り抜ける立体的な孔となっていて、隣接する2つのアリーナの可動建具を開放すると、人工芝の広場につながる街区規模の一体的空間が現れる。昔の田の字プランの民家のように空間は自由に形を変え、多彩な活動の受け皿になる。また「ヨリドマ」の南西部には、季節風から半屋外空間を守るため、地域の伝統的な工作物である可動式の防風防雪柵「かっちょ」を採り入れ、地元の叡智を受け継ぎ、雪と共生する環境共生型のスポーツコンプレックスの在り方を模索した。

外皮には青森産のホタテ殻を混ぜ込み、「ヨリドマ」と「コミセ」のフレームには、地元の木材を用いて「りんごかご」を想起させるパターンを展開した。木材を多用した木籠のアリーナは木の優しい香りに包まれ、コネクトホールと名付けたホワイエには、女性初のねぶた師・北村麻子さんが製作した巨大なリンゴのねぶたが浮かぶ。
青森の縄文文化のぬくもりが漂う、ヒューマンで風通しのよい現代の「かご」が生まれた。

チーム 阿知波 修二、澁谷 達典、林 愛弥*、鈴木 史武 (CG)、叶 子萌 (グラフィック)、陳 珺琳* (グラフィック)、寺澤 剛 (模型)、清水 さやか* (模型)、ユ ソラ*、小池 奨 (模型)、久保 アンリ (模型) 施工 大成建設、株式会社藤本建設 共同設計 大成建設、株式会社川島隆太郎建築事務所 設備 株式会社川島隆太郎建築事務所 アワード 第17回 ふるさとあおもり景観賞 公共建築物部門 最優秀賞(青森市総合体育館) パブリケーション 近代建築 2024/09 vol.78 、日経アーキテクチュア 2024/01/25 写真撮影 ©︎ 川澄・小林研二写真事務所