ノーベル平和賞のためのインスタレーション
2024年のノーベル平和賞が、広島や長崎で被爆した人たちで構成される「日本原水爆被害者団体協議会」に与えられたことを記念して、ノーベル平和センターから依頼されたものである。
1,000個の木組は、日本の職人たちが一つ一つ丁寧に手作業で製作した。使用した日本杉は、美しい木目と、人の肌のような優しい色合い、そして柔らかな触感を持つが、同時に人間の体と同じく柔らかく、もろい素材でもある。
平和への強い意志がなければ、この繊細な人間という存在も、同じように繊細な地球環境も、すぐに傷つき、失われてしまう。
そのことを伝えるため、折れてしまうほど薄い日本杉の板を用いて木組みをデザインした。
それぞれの木組みには固有のIDが割り振られており、壁際のベンチにおいて、そのIDに基づく証言にアクセスすることができる。