©Kengo Kuma & Associates

日本 2008ポリゴニウム

富山
展示
竣工

アルミ押出材を用いた、トラス型の可動什器のシステムである。「カード・キャッスル」というトランプのエッジをつき合わせて三角形に積み上げていくゲームからヒントを得た。

そんなシンプルな、ジョイントによる三角形のシステムでは、力は軸力方向に伝わるので、板を薄く軽くすることができ、また大きな架構が可能である。三角形は板とジョイントで構成されている。ジョイントは、すべての形状に合うように5種類あり、ジョイント中央部の穴にピンを打ち込むことにより、しっかり接合することができる。また、カナヅチでたたくだけでピンは簡単にはずれるので、組み立て、解体ともに、驚くほどの短時間で完了する。一枚の板は20cm×60cm×10mmの薄い中空構造で、それらを2枚つないで、一辺40cmの三角形ができあがり、耐荷重は100kgである。

このアルミブロックのジョイントは剛接合となっているので、組み合わせて作った梁状のユニットを空中に浮かすように梁を渡すこともできる。この三角形のアルミのシステムは、組積造とトラス構造の中間的な興味深い構造システムをもつ。このシステムを用いて住宅をデザイン中である。住宅の棚を作るだけではなく、組み立て、解体が容易な住宅そのものが可能なだけの強度をもつシステムである。

チーム 宮澤 一彦 パブリケーション GA JAPAN 113 、GA JAPAN 101