日本 2020新風館
京都の真ん中に、ストリートが貫通し、ストリートとつながったホテルをデザインした。京都という都市の歴史は、中国から伝わった120m角の大きな街区の中に、どのようにストリートを通し、どのようにそこに人間的なスケールと、人間的な質感を導入していくかの歴史であった。ホテルもまた、街区を占領する孤立した物ではなく、ストリートとつながったストリートの延長でなければならないと考えた。それはまた、21世紀のホテルに革命をもたらしたACE HOTELの哲学でもある。
我々はまず日本の近代建築のパイオニアの一人である吉田鉄郎(1894-1956)設計の旧京都中央電話局を保存し、新築棟と吉田棟の間にストリートを通し、さらにそのストリートから裏の東洞院通に向かってもうひとつのストリートを通した。新築棟は木で組んだ斗栱、アルミ製のランダムに振幅するルーバー、酸化鉄を混入した墨色のプレキャストコンクリートという3種類のヒューマンな素材を用いて、ストリートの上部に、京都の新しいジャズを奏でた。