谷口邸改修
能登半島地震で被災した築70年の民家を、炭素繊維の細いロッドを用いて補強した。施主の谷口 道夫さん自ら炭素繊維製の耐震補強材料「炭素繊維組紐ストランドロッド」の開発を続け、われわれがデザインした 小松マテーレファブリックラボラトリー fa-bo (2015) でもそのロッドが既存RC建築の耐震補強に全面的に用いられている。
今回は炭素繊維のロッドを地震で半壊した谷口さん自身の家の復旧、補強に用いた。地震で壊れた内装を一部撤去することで、日本の民家に特有の力強い木造軸組を室内にあらわし、炭素繊維ロッドが意匠・構造の主役となるように計画した。
水平垂直が揃わない木の構造部材同士を、しなやかに曲がる炭素繊維ロッドの特性を活かして軽やかにつなぎとめることが可能となった。壁や天井の除去によって、イレギュラーな構造とロッドとの組み合わせが可視化され、日本の民家の自在で合理的構造システムに、自由でやわらかなジオメトリーを与え、地震国日本の木造の、新しい可能性を発見した。


















