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#51 November 16, 2022


 クリスチャン・ディオールのショップを訪ねる機会があった、パリのモンテーニュ通りの、ディオールのフラッグシップを案内してもらった。最も印象に残ったことは、LVMHのベルナール・アルノー会長が、そこを単なるショップとせずに、クリスチャン・ディオール(1905-1957)のアーカイブを併設したことである。ディオールが活動したのは、1947から57年わずか11年であったが、そのアーカイブではディオールの残した11年間の産物とは思えないほどのたくさんの服だけではなく、彼のデザインのプロセスをリアルに垣間みることができる。必ず、まっ白の布地で形と布の流れをチェックして、フォルムが決まった後に、実際に使う布地をあてはめていくという。建築の3Dモデリングを想起させる方法はとても興味深かった。
 
 このフラッグシップには、彼の仕事をしていたアトリエもデスクもそのまま再現されていて、アーカイブというものの重要性を、はじめて理解することができたし、ここ数年KKAAがアーカイブに力を入れていることの意味を、ディオールとアルノーから教えてもらったような気がした。
 
 このアーカイブがあるモンテーニュ通りの30番地には、今でもディオールが生き続けているのである。その彼の呼吸を感じながら、デザイナー達はデザインをし、カスタマーは、その「生きた」デザインに惹かれるのである。KKAAのアーカイブも、そのようにして生き続けて欲しい。生き続けられる。そのように勇気づけられた

Kengo Kuma © Onebeat Breakzenya

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ProjectsHulic & New Ginza 8銀座中央通り沿いにたつ、耐火木造の地上12階テナントビル。 ガラスカーテンウォールの外部にはアセチル化木材でできたフィンを異なる長さと5種類の角度で配置し、季節の変化や光の向きの変化を映し出す、木の葉のようなファサードとした。 銀座には古くから柳の木が根付き、大きな幹から枝垂れる葉が心地よい木陰をもたらしているが、この木の葉のファサードも都市にやわらかい陰影と奥行きを与えてくれる。 柱梁、天井に使 … Read More