© British Antique Museum Kamakura

日本 2022英国アンティーク博物館/BAM鎌倉

2022.8
神奈川
文化施設
竣工
256
4F

鎌倉の鶴岡八幡宮へ至る若宮大路に建つ、土橋正臣さんの英国アンティークの莫大なコレクションを収蔵するミュージアム。鎌倉とイギリスをつなぐものは、厳しい自然条件によって鍛えられた質実剛健な武士の精神であると感じた。刀を思わせる鋭い刃を用いて巧みに木を削る鎌倉彫の美しいノミ跡を媒介として、鎌倉と英国という二つの場所をつなごうと試みた。CNCカッターを用いて、ヒノキの製材を削り出すことで、ノミ跡の作る美しくシンプルな曲面を再現し、その製材を隙間をあけて小間返しに並べることで、木の暖かい質感と透明感とが両立するファサードが実現した。
ノミ跡のジオメトリーのスケールを頂部にいくにしたがってグラジュアリーに小さくしていくことによってうまれるパースペクティブ効果によって、頂部が空へと融けていく印象が生まれた。ジオメトリーの微妙な変化は3DソフトとCNCカッターとの連動によって可能となった。
敷地から出土した土留めに使われたと思われる木の棒材は、4階部分の茶室空間の内装材として、そのまま用い、過去と現代とを、木というマテリアルをブリッジとしてつなぎ直した。

チーム 大庭 晋、吉里 光晴、柴田 淳、叶 子萌、安 祥毅、新田 ベン 施工 キクシマ 構造 小西泰孝建築構造設計 設備 環境エンジニアリング 協力事務所 コンバージョンプランニング