ホワイトストーン・ギャラリー北京798
バウハウス様式の工場跡地をコンバージョンしてできたアートストリートである北京798芸術区に、台北・香港に継ぐホワイトストーン中国大陸初の新ギャラリーをデザインした。
ストリートに比較的狭い間口で接しながらも、ギャラリーに強いランドマーク性とアイデンティティを与えるために、木目のあるアルミ折板による立体的なキャノピーを導入したファサードデザインとした。エントランスをくぐり、木目の線材による竹林のようなコリドーを抜けると、コリドーと同じテクスチャーの木目の線材が立体的なクラウド状の構造体となり頭上いっぱいに浮かぶ、ドラマチックな空間が来客を出迎える。
レセプションを越えた先のゾーンは、白を基調としたミニマルな壁面と、古びてざらざらとしたコンクリートがむき出しになった大きなヴォールト屋根の下の大空間に、アートが浮かび上がるようなミニマルでフレキシビリティを重視したギャラリー空間としてデザインした。
798のホワイトストーンでは、統一された木プリントを施した3mm厚のアルミ面材に対して、それぞれに異なる折曲加工・ビス/ボルト固定の組み合わせによって内外を跨ぐいくつかの異なる空間に巧みに対応することで、来客を非日常へ誘うひとつながりのパッセージを作り出しながら、アートと北京の近代の歴史的文脈が力強く対峙する場所を作り出すことができた。