ところざわサクラタウン 角川武蔵野ミュージアム
世界でも類を見ない、4枚の地殻プレートの衝突によって生じた武蔵野台地 所沢に建つ、デジタルプリンティングの工場、コンピューター制御の新しいタイプの物流倉庫、オフィス、美術館、図書館、博物館、アニメホテル、アニメ文化と連動する神社が有機的・横断的に撹拌された複合施設。武蔵野の台地が隆起して出現したかのような角川武蔵野ミュージアムは、外壁に黒と白の斑が入り混じる、70㎜もの厚みの花崗岩を2万枚用いた。花崗岩は表面を割れ肌仕上げとし、隣り合う石のジョイントには通常行われるような凹凸を揃える加工はせず、割れてできた凹凸のまま段差を残すことで、大地の力強さと1枚の石がそれぞれ独立して浮遊するような軽快さを達成した。巨石の内部は現代アートのようなハイ・カルチャーとアニメのようなロー・カルチャー、モノとコトが撹拌され、従来の二項対立を超越した未来的迷宮としてデザインした。構造用合板による霞棚のような本棚が、脳の構造のように縦横無尽に展開し、さまざまなジャンルの書籍やオブジェを立体的に繋ぐ。巨石を磐座とし、石の荒々しさとの調和を図った、製造・オフィス棟の、目の粗いアルミエキスパンドメタルのフェンスで囲われた境内をもつ武蔵野令和神社は、流れ造りと妻入りが共存し、女性の神を示す内削ぎと男性の神を示す外削ぎが併置され、ここでも混在と撹拌を生じさせ、地域対文化施設を超えた、コロナ時代の新しい場所の創造を試みた。
都市とも郊外とも異なる新の場所の創造を試みた。そこはサテライトオフィスであると同時に工場(デジタル出版)であり、文化施設の境界なき複合体(図書館、美術館、博物館)であると同時に宗教施設(神社)でもある。そこはハイカルチャーとアニメに付着されるローカルチャーとの新しいアマルガムであり、だれもが創造に参加できる「デジタルなものづくり」の街でもある。
中心となる角川武蔵野ミュージアムは、特殊な割り肌に仕上げをほどこして20800枚の石で覆われた61面体の「巨石」であり、この地でぶつかる四枚の地殻プレートのエネルギーが武蔵野の台地をつき破って、この地に出現したかのような印象を与えてくれる。
この「巨石」の内部はスパイラル状の空洞となっており、そこには日本の伝統的な床の間の意匠である「違い棚」をモチーフとしたランダムな凹凸を持った書棚の集合体「本棚劇場」が巣喰っている。

















