Comico Art Museum Yufuin Annex
日本有数の温泉地由布院の大分川の川辺に建つ現代アートミュージアムの新館。
里山の集落をイメージした焼杉の外壁と勾配屋根が特徴の、緩やかな本館の水平的な秩序を、アルミパネルで構成された鋭角的な斜めの面が、切断し、切り裂いていく。
地上の庭園をめぐる回遊性は、このダイアゴナルなベクトルによって、奈良美智、森万里子、名和晃平のアートが点在する屋上庭園へと接続され、さらに、正面にそびえ立つ由布岳の鋭角的なシルエットが、その3次元の連続性を受けとめている。
由布院の集落を構成する様々な斜めの要素を、拡大、増幅、反復、反射させることによって、集落と山、集落と天との間に、コンテンポラリーアートという補助線をひこうと考えた。