日本 2021早稲田大学国際文学館 村上春樹ライブラリー
早稲田大学早稲田キャンパス4号館に、時空を超える「木のトンネル」を貫通させ、村上春樹ライブラリーとして生まれ変わらせた。村上春樹の文学にしばしば登場する別の時空をつなぐ「トンネル」を建築空間へと翻訳をした。
まず4号館の外壁をニュートラルに白く塗装して消去し、そこに木のスクリーン状の3次曲面の庇を付加することで、時空の裂け目である「トンネル」の入り口を暗示した。4号館のスラブを抜いて挿入された「木のトンネル」は、本棚であると同時に劇場であり、レクチャーホールである。
コンクリートに支配された20世紀という「硬く」「冷たい」時代の中に、繊細でやわらかな木という物質を使って、僕らを守り、夢を育てるトンネルを創造した。