CMP INSPIRATION
台中の高層ビルの足元に、庭のような美術館を挿入した。
台中市の緑のネットワークの中心である「草悟道」に面する敷地に緑の美術館を創造することで、公共的な緑のネットワークとプライベートの開発とを、緑を媒介としてシームレスに繋げた。
美術館の大部分を地下に埋めて軒を低く抑え、建物の圧迫感を軽減し、さらに屋根と地面を一体化することで、様々なイベントやコンサートのための公共空間として屋上空間を都市に開放した。
様々な種類の植物で屋根を彩るために、土を用いて屋根植栽を実現した。土を用いながらも屋根先端の厚みを消し、軒面までツタを延ばし、建築と自然の境界が曖昧となるような軒先ディテールとした。建物荷重をできるだけ抑えるために、厚さ12mmのポリゴンの鉄板野地板を鉄骨の柱梁で支持するシンプルな構造を採用し、捻じれた屋根面を実現した。
地下の展示スペースと地上を繋ぎ、屋根の捻じれ形状を反映したルーバー天井と襞状の壁、そして螺旋階段で、陰影がある洞窟状の空間を実現した。抽象的なホワイトキューブとは異なる有機的な展示空間を作ることで、都市の中に景観的にも体験的にも自然を挿入しようと試みた。