カフェ・クレオン
木を「組む」のではなく、「積む」ことによって、森のような建築を作りたいと考えた。エレメントとして選択したのは、105mm角の断面を擁する、最も標準的で安価な角材である。この角材に特殊な加工をせず、ただ積み上げていくだけで、有機的な空間を作りたいと考えた。角材には特殊な加工をほどこしていないので、解体・移動の必要が生じた時は、もとの角材へと容易に戻すことが可能である。コンクリートには存在しない、木という素材の持つフレキシビリティを最大限に生かす工法である。
積み上げた角材は、30mmφのスチールロッドを縦に貫通して固定した。積み上げた角材の上に、折板をのせて屋根とし、さらにその上に発泡セラミックスの緑化素材(グリーンビス)をのせて、空調負荷を低減させた。解体、移動に対しても、この屋根の工法は有効である。