中国 2002竹屋 Great (Bamboo) Wall
中国、万里の長城の脇に建つ小さなホテル。傾斜のある敷地を造成せず、うねる斜面の上にそのまま細長い建築を建てることで、周辺の緑を可能な限り保存した。地形を守りながら、その上に上下にうねるリニアな構築物を作る方法は、万里の長城の建て方から学習したものである。外壁はすべて竹製のルーバーで覆った。都市の喧騒と煩雑な人間関係を離れ、静かな竹の林の中で暮らした「竹林の七賢」の故事から想像できるように、古来より中国では竹は、反都市的な哲学・ライフスタイルを象徴する「聖なる」植物であり、本プロジェクトもまた、そのような反都市的精神を共有しているからである。
建物の中央には、水面に浮かぶようにして茶室が配置され、茶を飲むことを通じて、自然と人間が一体化するための空間として計画された。