日本 2022国際基督教大学 トロイヤー記念アーツ・サイエンス館
日本の他の大学にはないような、緑豊かで大きなクアドラングル(中庭)を持つICUのキャンパスに、文理融合を目指した、新しいタイプの教育研究棟をデザインした。
文理の学生、教員の交流を促すために、既存キャンパスをつなぐ「ガレリア」とヒューマンスケールを持つ「ミニクアドラングル」を設け、木を用いてこれらの交流空間をデザインすることで、ICUにふさわしい暖かくカジュアルで家庭的な雰囲気をキャンパスに与えることができた。一方、西側ファサードには、実験棟にふさわしいメンテナンスの容易な配管を露出したインダストリアな表情を与えることで、文理融合の挑戦を外観からも読みとれるデザインとした。
内部には、文理の交流、学生と教員との交流を促す、吹抜空間・Hub Centralを設け、水平的な「ガレリア」と垂直なHub Centralによって、複合的機能を統合し、キャンパスに新しいハブを創造した。Hub Centralでは、スリットの空いたウロコ状の木を用いて、自然の風の流れ、光の流れを可視化して、コロナ後のライフスタイルにフィットした、自然に開かれ、自然が感じられる学びの空間を実現した。