中国 2010シャンシャー
shang xiaは中国の伝統文化とクラフトマンシップを現代流に再解釈することをスタイルとした、Hermes傘下の新規ブランド。そのフラッグシップ店を上海の中心部に計画した。雲のような柔らかな布に囲まれた空間、さらにその布が現代の技術で以って初めて可能となるような表情をもつことを追求した。店内を埋め尽くす布は日本で作られた三軸織の布を加熱成型したものである。これらは布本来の柔らかさと、形状記憶しうるほどの硬さを併せ持った、いわば布とプラスチックの中間に位置する素材である。この素材で覆われた布面は、時に商品を包む柔らかな背景となり、またある時にはそれ自体に独特の表情を持った自律性の強いオブジェクトとして商品と対峙する、アンビバレントな存在である。それはshang xiaのブランドコンセプト及びタイトルである、「対立する要素を併せ持つ両義的なスタイル」=「上下」 (shang xiaの中国語表記) との共鳴を図ったものといえる。