ストーン カード キャッスル | 隈研吾建築都市設計事務所
©Kengo Kuma & Associates

イタリア 2007ストーン カード キャッスル

ヴェローナ
展示
竣工
104
1F

ピエトロ・セレーナという石は「原理」というものの美しさをわれわれに教えてくれる。それは石という重たい物質でありながら、緑がかったグレーの色によって、そしてそのニュートラルな肌によって、限りなく透明に近い感覚をわれわれに与えてくれるのである。「原理」というものに固有な透明感をこの石はたたえているのである。だからミケランジェロはこの石を好んだのであろう。彼は今日のようにガラスを自由に大量に使えない時代において、この石の透明感を用いて建築の「原理」を人々に伝えようと考えたのであろう。

この透明な石を用いて、私もひとつの「原理」というものを人々に伝えたいと思った。それは三角形という原理である。三枚の同じ寸法を持つ石の板を組み立てる事で、三角形という安定した形ができあがる。この三角形という単位を次々に積みあげる事によってわれわれは世界という巨大なものをも構築する事ができる。三角形という原理が安定しているから、このような形で世界を構築する事ができるのである。この原理の美しさをピエトロ・セレーナという具体的な物質を使って人々に伝えたいと考えた。そのためには、ピエトロ・セレーナは可能な限り薄くしたいと考えた。薄くすることで透明感が強まり、原理という抽象的なものにより近づけると考えたのである。

チーム ビヤール ルイズ ハビエル、Cristina Gimenez Martin*、虎尾 亮太* 施工 Il Casone 構造 江尻建築構造設計事務所 照明 Targetti パプリケーション 新建築 2008/02