日本 2007Yien East
5つの時代、場所にまたがる4つの建築をひとつの場所に集め、庭園の中にひとつながりのシークエンスを作った。4つの場所、時代とは具体的に、奈良当麻寺門(江戸時代)、奈良般若寺玄関(江戸時代中期)、奈良般若寺書院(江戸時代中期)、金沢横山家能舞台(江戸時代後期)、中国明代の江蘇省の敷石である。
多様な存在を並置するときに、水の力を借りた。敷地は明治時代を代表する庭師、小川治兵衛が、琵琶湖疎水の水を引いて作った南禅寺の庭園群の一角にあり、ここにもまた琵琶湖の水を引くことが可能であった。敷地の中に水を流し、大きな水面を作り、その上に浮かぶ4つの建築を浮かべるためである。日本庭園が寝殿造においても、回遊式庭園においても、いかに水の力に依存していたかを改めて知る機会となった。