梼原 木橋ミュージアム 雲の上のギャラリー | 隈研吾建築都市設計事務所
© Takumi Ota

日本 2010梼原 木橋ミュージアム 雲の上のギャラリー

高知
文化施設
竣工
445
2F / 1BF

小断面の集成材を集積させるデザインを追求していくなかで、両端から刎木を何本も重ねながら持ち出して橋桁を乗せていく、「刎橋」という忘れられた架構形式を採用した。刎橋は山梨県にある『猿橋』のみが木板貼りの鉄骨造に変わって唯一現存しているだけである。更にこれを敷地の地形に適用させるために、鉛直荷重を受ける橋脚を中心として両端のバランスを取ることで、「やじろべえ型刎橋」と言うべき新たな架構形式が出来上がった。崖上の端部には、同様の架構を逆さにしたような屋根形式のアトリエ・ギャラリーが併設されている。

刎木が重なり合う「斗栱」という伝統表現をオーヴァードライヴしてつくられる全体は「木の組積造」とも言うべきものとなり、軸組形式では得られない存在感 (具体性) と抽象性を醸し出している。そもそも集成材そのものが「木の組積」という具体性と抽象性を併せ持った素材であり、その組積の構図が構成へとディメンジョンアップしてもなお続いている状態を作ることで、物性、技術、情報、歴史といった全てにおいてノンヒエラルキーな建築を目指している。

地域文化の活性化、アーバンデザイン、架構技術、素材と伝統表現といった様々な主題をブリッジすることで出来上がる、公共建築の新たなあり方を試みている。

チーム 宮澤 一彦、松島 潤平* 施工 四万川総合建設 構造 中田捷夫研究室 設備 シグマ設備設計室 積算 ケイズ設計 アワード 木材利用推進中央協議会 平成23年度優良木造施設 優秀賞、芸術選奨文部科学大臣賞 パプリケーション GA JAPAN 165 、カーサ ブルータス 2015/08 vol.185 、新建築住宅特集 2014/08 、JA : The Japan Architect 2011/Autumn 83 、ディテール 2011/04 No.188 、ペン 2011/03/15 No.287 、GA JAPAN 108 、JA : The Japan Architect 2011/Winter 80, YEARBOOK 2010 、新建築 2010/11 、GA JAPAN 2007/01-02 84 写真撮影 ©︎ Takumi Ota