日本 2019明治神宮ミュージアム
日本を代表する神社、明治神宮の参道の途中に建つミュージアム。明治神宮に伝わる宝物、美術品を展示するだけではなく、明治神宮の森の歴史、建築の歴史について知ることができる。
明治神宮の森自体を主役と考え、建築をその中に溶けこませることを目標とした。一見、原生林のように見える明治神宮の森は、明治天皇が亡くなった後に、全国のボランティアの手によって、持ち寄られ、植えられたものであり、100年の短期間で、野原があった場所に、これだけの深い森が生まれたことは、林学上の奇跡ともいわれている。われわれは軒の高さを抑え、屋根を細かく分節し、外壁も、大和張りと呼ばれるディテールを用いて細かく分節することによって、建築を森の中に消していこうと試みた。
構造体にH鋼を用い、可能な限り透明な空間を実現し、H鋼のフランジ間をヒノキの板で埋めることで、構造のシャープさと、空間の温かさ、やわらかさとを両立させた。建築に際して切り倒された欅、楠などの樹木は、家具や内装に再利用して、森という貴重な資源を循環させることを試みた。
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