Ichijo Hall 2020
「開拓者魂(フロンティア・スピリット)」を建学の精神とし、これを表象する帆船「一条丸」の副章を掲げた奈良市立一条高等学校の新しい講堂。
生徒たちを乗せ出航する帆船「一条丸」をイメージしたファサードは、船底状の曲面を微分した直線の木ルーバーで構成し、航海に出る高揚感が感じられる空へ向かう舳先のデザインとした。
軽やかさとダイナミズムを併せ持つ木の舳先は、人々を迎え入れるゲートとなり、講堂内外を繋ぐ交流と活動の半屋外空間を創造し、地域に開かれた学校のシンボルとなる。
柔らかな木に包まれた明るいホワイエ空間は、ダンス部をはじめとする盛んな部活動の練習スペースを兼ねる。ホワイエやホールの床に用いたフローリング材は、奈良県宇陀市から寄贈されたものである。ファサードの木ルーバーはホール内部にも引き込まれ、プロセニアムや反射板、サインへと展開、分岐していく。