日本 2018富岡倉庫3号倉庫
絹の街富岡の駅前にたつ、木造の「3号倉庫」を、カーボンファイバー(CFRP 炭素繊維強化プラスチック)を用いて耐震補強し、コミュニティのための交流施設として再生させた。通常、木造の耐震補強には鉄が用いられるが、付加した鉄の重量が、耐震性能を弱めてしまうという矛盾があり、また、鉄の質感が、木造のやわらかさを損なうという問題もある。
一方、カーボンファイバーは、鉄の20分の1の重さで、引っ張り強度も鉄より強く、質感もやわらかく、近年、伝統木造建築の耐震補強にも用いられるようになった。
今回は、カーボンファイバーでアヤトリをするようにして、木造建築を補強し、大きく開口部をあけることで、旧倉庫と広場とを一体化し、われわれの設計した富岡市役所と連動して、絹の街富岡にふさわしい、繊細で透明なパブリックスペースが生まれた。