日本 2003梅窓院
都市型寺院の再生プロジェクト。梅窓院は360年前に建てられ、東京の中でも最も古い寺院の一つである。かつて日本の寺院は、都市の中のコミュニティセンターとして、重要な役割を担っていた。この伝統を復活させ、文化ホール機能、教育機能、集合住宅機能を併せ持つ、あたらしい都市型寺院を提案した。
形態的には、瓦の大屋根にかわって、深いハゼをつけた、強い陰影をもつ金属板葺きの屋根を提案し、壁ではなく屋根によって都市景観を構成するという日本の都市デザインの伝統を、新しい形で再生させた。金属板のルーバーは光の方向と強さによって色と形が変化するように見える。この屋根は自然現象に敏感に反応するアンテナであり、人々に自然の変化を認識させる。傾いたルーバーの壁の着地点に建物のエントランスがある。ルーバーは地上レベルから延び、かつての寺院や教会が都市のオープンスペースとして機能したように、都市の活動が建物内に溢れていく。都市と寺院が一つの空間に融合するように計画されている。